これからの家

2025年、全ての新築住宅・建築物は省エネ基準適合義務化

小規模住宅も2025年に省エネ基準適合義務化

国が進める低炭素社会へ向けてのロードマップ

令和4年(2022年)6月17日に「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第69号)」が公布された。
現行の法規では300㎡

未満の小規模住宅は、建築物省エネ法の省エネ基準に対して建築士は建築主に対して説明義務・適合努力義務に留まっていたが、この法改正によって2025年より小規模住宅も「省エネ基準の適合義務」となる。

2025年省エネ基準適合義務化を全ての新築住宅・非住宅に

非常住宅においては、大規模建築物(床面積2000㎡以上)は2017年4月より、中規模建築物(床面積300㎡以上)は2021年4月より建築物省エネ法の省エネ基準の適合義務となっている。しかし現在、住宅については届出義務である。しかも300㎡未満の小規模建築物(非住宅)と住宅に至っては適合努力義務でしかない。

そこで今回の6月公布の改正法によって、3年以内に法を施行し、全ての新築の非住宅及び住宅は省エネ基準適合義務とされることになった。(但し、小規模建築物や住宅については、10㎡以下のものは対象にはならない。) 2025年省エネ適合義務化

 図:国土交通省資料より

更に2030年、2050年、段階的に省エネ基準の引き上げへ

その先には、「2030 年度以降、新築される住宅・建築物について、ZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す」、更に「2050 年に、住宅・建築物のストック平均で ZEH・ZEB 基準の水準の省エネルギー性能が確保されていることを目指す」といった方針が発表されています。

「ZEH・ZEB基準」は従来の「省エネ基準」より厳しいものになるため、2025年度よりも、2030年度、更に2050年度からはさらに厳しく引き上げられるということになります。将来的にも、建築物の省エネ性能はより高いものが求められる時代へとなっていきます。

省エネ住宅は目的別に7種類ある

省エネ住宅概要
通常の省エネ基準適合住宅 省エネ基準をクリアした住宅。
ZEH住宅高性能の住宅設備を導入。
「エネルギー消費量 ≦ エネルギー創出量」となることを目指す。
LCCM住宅建築〜解体の期間で
「エネルギー消費量 < エネルギー創出量」となることを目指す。
認定長期優良住宅ZEH住宅と同水準で、長期間優良な状態をキープできる住宅。
認定低炭素住宅ZEH住宅と同水準で、二酸化炭素排出量をより少なくできる住宅。
性能向上認定住宅行政から「省エネ基準より高い水準」と認定を受けた住宅。
スマートハウス住宅が使う・創る・蓄えるエネルギーについて専用システムで管理できる住宅。

省エネ住宅義務化の基準よりも、さらに高い省エネ性能を持つ住宅を建てるという選択肢があることを、覚えておいて頂けるとお役に立てるのではないかと思います。

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