「昔は1500万円〜2000万円ぐらいが
住宅ローンの相場だったけど、
この頃は、4000万円ぐらい
借りるのが当たり前になってますね。
年収の5倍ぐらいと
言われていた融資の限度額も
下手をすれば7倍ぐらいまで
貸すこともありますしね。」
先日、とある銀行の方から
このようなお話をお聞きしたのですが、
確かに原材料費高騰の影響もあって
どんどん値上がりする家の価格を考えると、
土地から買って家を建てる方は、
自己資金がなければそれぐらいの
借り入れになってしまうのかもしれません。
しかし個人的には、
たとえ共働き世帯だったとしても、
会社勤めである方たちには
この予算設定はオススメ出来ません。
返済していくだけで精一杯の
状態になる可能性がかなり高いからです。
例えば、
4000万円のうち3000万円をベタ払いで、
1000万円を年2回のボーナス払いにし、
35年返済で1.4%の固定金利で
銀行から借り入れしたとしましょう。
この場合、毎月の返済は90,392円となり、
年2回のボーナス返済は
181,193円となるのですが、
仮に現在の家賃が70,000円だとしたら、
出費が今よりも20,000円も上
がってしまうことになります。
また、
賃貸では火災保険を自分の家財にのみに
掛けておけば良かったのですが、
家を持つと建物本体にも
火災保険を掛けることになるし、
それにプラスして賃貸の時は必要なかった
固定資産税を毎年払わなければいけません。
(これに上乗せして都市計画税も)
さらに、
家をいい状態で維持していくためには、
定期的に家の
メンテナンスをしないといけないのですが、
そのための費用も今のうちからコツコツと
積み立てていかないといけないし、
同時に、やがて
老朽化し入れ替えが必要となる
水回りの工事費用も
積み立てていっておくべきです。
そしてこれらを合計すると、
毎月約20,000円〜25,000円ぐらいは
必要となってくるわけですが、
さて、現在暮らしよりも
一気に40,000円〜45,000円も
負担が上がるとしたらいかがですか?
✔️ボーナスはずっとあるのか?
そして私が一番懸念するのは、
「ボーナスがずっとあるのか」
というところです。
ボーナスというのは
給料と違い企業の業績に応
じて支払われるものであるため、
今後35年間良い業績が
ずっと続くかどうかなんて
現時点では誰にも分かりませんからね。
そして、仮にボーナスがなくなるという
事態が起こってしまった時は、
(業績悪化や転職といった要因によって)
年2回分のボーナス上積み分を
毎月除けていかないといけなくなります。
となると、さらに毎月の負担が高くなり、
とてもじゃないけど
家族で旅行に行く余裕なんて全く
なくなってしまうのではないでしょうか。
✔️贅沢な暮らしを諦める覚悟
これは銀行の方が
話していたことで私も同感なのですが、
家にこれだけの
お金をかけるつもりなのであれば、
家以外のことを
「ずいぶんと我慢して暮らす覚悟」が
必要だと思います。
つまり、贅沢はしないということです。
例えば、外国車や高級車といったいわゆる
いい車は絶対に買わないとか、
基本的には外食には行かないとか、
旅行に行くのは年1回にして
その旅行も泊まりでは行かないとか、
あるいは行き先を飛行機に
乗らなくて良い場所にするとか、
時計やバイクのほか、お金がかかる趣味は
全て諦める、といった感じですね。
理由は、子供たちを育てていくためには
想像以上にお金がかかるから、
そして、今後は天引きが増えるため、
よほど給料が上がらない限りは
確実に手取り金額が減っていくから、
でも、そんな中でも老後に向けて積立も
していかないといけないから、です。
(年金はなくならないにしても
支給が遅れたり減ることになるからです)
これから35年間、
つまり住宅ローンに縛られている間、
ずっとそれでも我慢出来ると
断言出来るのであれば、
家に全身全霊を捧げてもいいと思います。
しかし、それはちょっと
嫌だなーとお考えだとしたら、
家づくりの予算をもっと
現実的に考えるべきだし、
もっと踏み込んで言うなら、
家づくりの予算を計画する前に
これから必要となるコストを知り、
その備えをしていくために現在の状況を
見直すべきだと思っています。
家にかける予算を失敗してしまうと、
間違いなく一生かかっても
取り戻すことが出来ません。
それどころか不測の事態が起こった場合、
家を手放すことになるかもしれません。
なので「みんながそうしているから」
という理由だけで、
同じような選択をするのは
絶対にやめていただければと思います。
家を建てることが目的ではなく、
家は家族が幸せになるための
一つの手段であることを
決して忘れないでください。
アッド・エヌでは
ご家族に合わせたライフプランを
提案させていただいています。
漠然とした資金計画より
目に見える数字を把握することによって
安心ももてると思います。
土地や空き家の
ご相談もお気軽にご相談ください。